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漫画、読まなくなったな [創作・表現・作品感想]

2017年4月21日追記。

下記「漫画貧乏」についての補足。

ワシはかつて週刊少年サンデーで漫画を連載したことがあるのじゃが、当時の原稿料は1枚1万円だった。大手出版社の新人への原稿料はそれくらいだと聞いた。小さいところだと5000円とか。なので1万はかなりいいほうだった。

この新人への原稿料、もしかして今もあまり変わってないのでは。

週刊連載の場合、ざっくり計算すると、20枚が4週で、月額80万円の収入。一見、良さそうに見える。
事実、実情を知らない周囲から「わあ、たくさんもらえるんだね」と言われた。ワシもそう思った。

が、アシスタント代という人件費(交通費や食費も漫画家側が出すのが一般的だった)でふっとぶ。
つまり経費を差し引いた所得はかなり安くなる。コンビニのバイト以下と言われる所以だ。

それでもまだワシの頃は、漫画全般、絵が今ほど緻密でなかったし、ワシの場合、アシスタント2人から3人で回した。

けど、安定的に週刊連載をこなすのであれば4人必要。報酬もそれなりでないと、なり手はいない。絵を描くという特殊技能のいる仕事だしね。

で、原稿料は源泉徴収されるので、それを取り返すのに、確定申告をするわけだが・・・
新人漫画家だと「週刊連載しながら、そんな事務処理なんてできない」ていう人の方が大半だろうな。

ええ、それでもケチなワシは、確定申告をし「税金として差し引かれてしまったお金」はちゃんと取り戻しましたぞ。

ザックリ計算しよう。1話の原稿料を20万と仮定し、週刊連載で年50話とすれば、年1000万円だ。そこから源泉で1割差し引かれるので、約100万円、国に持っていかれている。印税も同様。
これを取り返すのが、確定申告だ。

漫画家は原稿料のみでは生活ができないほどの赤字を抱えるのだから、新人漫画家の場合、単行本が出ていない状態だろうし、ほとんど取り戻せる。

これをやらないと地方税や健康保険料などにも、はね返ってくるので、やったほうがいい。
けど、週刊連載しながらなんて・・・厳しいよなあ。

それでも・・・ワシの頃にはなかったこういった情報、今ならば容易く手に入る。

んでコスパを考え、リスクを理解することが大事だと思う。そういった計算高さを嫌うのが、今までの日本人だったけどね。

で、契約をする、仕事を受注する、ということについてもよくよく考えた方がいい。
ワシの若き頃はまるでそんなこと頭になく・・・むしろ、そんなことを考えるのは不純だという空気があったが。

そう、佐藤氏は漫画家側の権利を主張してくれているのだ。

今まであまりに漫画家側に権利がなかった気がする。
それなのに世間は莫大な報酬を手にする一部の売れっ子漫画家のイメージで見る。
なので、佐藤氏のことも「そんなに金が欲しいのか」と批判しがちだ。

著作権、二次使用料のことも、漫画家側って無頓着だったかも。

(このへんは漫画家・ヤマザキマリ氏も言及していたっけ。出版社任せにしては、漫画家が得られるはずだった報酬が得られなくなる。世間からは「コミックが売れれば印税が手に入るんだからそれでいいじゃないか」という目で見られるけれど)

「漫画貧乏」はそんなことを考えさせてくれる本だ。

・・・さて、ここからは余談。
短編連作小説「これも何かの縁」に登場するオタク漫画家・沢田文雄は月刊連載、アシスタントも2名という設定。月刊連載なので時間的余裕もあり、それで回していけるだろう。

週刊連載はちょっと過酷すぎるよなあ。時間的余裕が少なすぎ。
画を2日か3日で上げないといけなくなるということは、アシスタントもそれだけ数が必要になるし、徹夜など無理を強いることにもなり、今の時代であればその分の報酬を上乗せするのが当然だろう。

沢田文雄を週刊連載漫画家にはさせたくないよなあ^^;

※「これも何かの縁」より沢田が登場する話はこちら。
「風のない日の鯉のぼり」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-02-02
あらすじ→小林和江の従弟・オタク漫画家沢田文雄登場。自身に劣等感を抱く彼の過去とは。

「梅雨明け・孤独な幸せ」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20
あらすじ→社会からの爪弾き者の沢田文雄と長山春香、それぞれの視点から。海の日の雑学あり。

「同窓会」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-03-01
あらすじ→オタク漫画家・文雄、高校の同窓会へ。いじめっ子元同級生と会う。沢田のとった行動とは。

「マイノリティ」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-03-10
あらすじ→和彦VS和江。文雄も無関係でいられなくなり・・・参戦。

「それぞれの道・沢田文雄」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-03-25
あらすじ→沢田文雄と担当の浅野仁のやりとり。郷田浩に思いを馳せる沢田。そして高校時代とは縁を切る。


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4月20日追記。

漫画家・佐藤秀峰氏の「漫画貧乏」を読んだ。
漫画家を目指す人は必見。



原稿料と印税の定義について考えさせられた。
確かに佐藤氏の言うとおり。原稿料と印税は別だ。

原稿料だけでは赤字。どうしたってスタッフ・アシスタント代=人件費で大方、とんでいってしまう。
作画作業代として、スタッフを雇わないとやっていけない漫画家に対し、あまりに低い原稿料。その赤字は印税で賄えというのはおかしいのだ。単行本にならない=印税が出ない漫画家もいるわけだし・・・。

出版社側の根底に「好きなことやっているんだから安くても文句は言うな」「タダでもいいから雑誌に掲載されたい人が多い中、原稿料をもらえるだけありがたく思え」というのもあるんだろうな。

売れっ子はごくわずか。貧乏漫画家がほとんど。平均的な漫画家の収入(厳密にいえば人件費など経費を差し引いた所得)は、コンビニのバイトか、それ以下の所得。
もしかして同人誌やっている人の方が儲けているのでは、といった感じ。

そして、いくら人気を取っても、掲載誌が廃刊になれば、路頭に迷うのは漫画家だけ。しかもスタッフも。
正社員の編集者は仕事を失うこともなく、大手出版社の場合、給料もそのまんま。平均給与年収1600万円。入社5年目で1000万円超えるという。(あくまで大手)

いや、実はワシも「載せていただけるだけありがたい」という気持ちでずっといた。こういう性格の人は漫画を仕事にするには向かない。趣味で行くほうがいいと思う。

要は漫画を描いてどうしたいのか、だ。
それで生活していきたいのか、それとも発表さえできればいいのか。
今はネットがあるので、発表の機会は本当にいろいろとある。

リスクを理解した上で、その道に進むのかどうかを考えた方がいい、ということで、この「漫画貧乏」を漫画家志望者にぜひぜひお勧めしたい。
つまり、これは漫画家になるリスクを理解するための必見の本ということで。

そんな漫画出版の世界を変えたいという佐藤氏。既得権益層との戦いといった感じ。
ワシは漫画をほとんど読まなくなってしまったが、佐藤氏の活動に注目していきたいと思っている。


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2016年10月16日本文。

「コミックビームが「緊急事態」宣言 漫画雑誌はこの先、生き残れるのか」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161014-00000023-it_nlab-ent

ワシは今、ほとんど漫画雑誌を読んでない。(昔、DB最盛期は月曜日のジャンプが待ち遠しかったのに)
趣味としての漫画を読むことからは距離を置いてしまった。

まあ、歳のせいもあるかもしれないけど、読むのが面倒。
いつ終わるのか分からない、あまり話が進まない連載を追いかけるのが面倒。
長期連載のコミックスは巻数があり場所をとるので困る、かといって長い連載ものをネットで読むのも面倒。

とにかく面倒、この一点に尽きる。

その点、小説はたいてい1冊で話が完結する。長くても上下巻。シリーズものだとしても、前作を知らなくてもいいようになっている。
※いつ終わるのか分からない長く長く続いて巻数がいってしまっているラノベは漫画同様、読まない。

ま、ネットのほうが面白いし、場所はとらない、お金もかからないし、自分のペースで楽しめるし・・・
今ではネットで無料で読める漫画もあるし、情報もたくさん転がっているし、雑誌はもう時代遅れでは、と思う。

ネットを含め、エンタメ全てが漫画のライバル。
その中で生き残っていくのはかなり大変そうだ。

ワシもこうやってネットで発信できている。
プロで食べていくって大変だし、趣味として自己表現ならこれで充分だなと思うようになってきた。あとはいかにして多くの人に見てもらうか、課題はそれ一点のみ。

なので、「ネット時代の作家」をめざし、作家の新しい働き方を作っているという「はあちゅうさん」に注目している。https://twitter.com/ha_chu

はあちゅうさんも、女性誌の急な打ち切りを経験したらしく、「誰かに始める時期や終わる時期、書く内容や字数を決められたり変えられたり、ふりまわされない場所が欲しい」ということで、いろいろと取り組んでいるらしい。(「半径5メートルの野望・文庫版あとがき」より)

これ、わかるよなあ。
ワシは昔、商業誌で漫画連載を経験したことがあるが、漫画界のことを知らず、デビュー当時、作者が物語を終わらせることができると思っていたのだ。

いや、人気がなくて途中で打ち切りになるのはまだ分かる。けど人気が続く限り終わることができないなんて、これは想像もしなかった。

記事「漫画家たちの不倫」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-10-14-1で、ちょこっと触れたが・・・

スーパージャンプ「御令嬢・金崎麗子」連載時、最後のほうネタが完全に切れ、潮時かと思い、「終わりにしたい」と担当に言ったら、「それを決めるのは編集部であり、作者には決める権限はない」と言われたことにびっくりしたっけ。

その前にも・・・「もう終わりにしたい」と言ったら、「次は仕事ないからね」と別の編集に言われたことがあった。

もちろん、その逆もある。ヤングチャンピオン「スカイプレイ」ではまだまだ話が中途なのに、人気が取れないので終わざるを得なかった。

「音吉君のピアノ物語」が一番終わるべきところで終わらせてもらったし、自分の好きなように描かせてもらえた。おそらく作品のことを考えてくれた副編集長に運よく当たったことが大きかったと思う。(当時、少年サンデー副編集長が「音吉」に力を入れてくれていたらしい。漫画最盛期であり、余裕があった時代なのだろう)

内容も人気が取れるように合わせていく。
ストーリーの流れも編集部によって決まる。クライアントである編集部の注文を受けるのが漫画家の仕事である。このことが自分には分かっていなかった。好きなように描きたきゃ趣味でやれ、ということだ。

まあ、とにかく作者側に終わらせる権限が全くないとは・・・マンガ業界、ちょっと自分には合わないかもしれない、と思ってしまった^^;

尻切れトンボ、または終わるべきところで終わらないダラダラ続く漫画に、趣味としてもついていけなくなってしまった。
物語を楽しみたきゃ映画、小説、テレビドラマがある。

ただし映画は、自分のペースで楽しめない。
2時間・・・その時間を束縛されるのが嫌である。レンタルも面倒なので、今はもう、話題になったヤツで自分がおもしろそうだと思ったものだけ、テレビに落ちてきたのを録画してみる程度だ。

30分のテレビアニメは、あんまり話は進まないし、やはり追いかけるのが面倒。このへんは漫画雑誌と同じだね。
つまり、話がさほど進まないものを追いかけるのが本当に面倒になってしまったよな。

テレビドラマも1話45~50分ほどの束縛にストレスを感じることもある。イライラする時は早送りで観る^^;
やはり自分のペースで楽しめるところまでいかないし、この頃、面白いと思えるものがないので離れてしまった。

で、結局、物語好きなワシの中では、小説が残った。
小説なら、ざざーっとななめ読みもできるし、自分のペースで楽しめる。
趣味は読書なんてありきたりだけど、一番ストレスがない。

ワシはとりあえず、さくっと軽くネットで読めるお話作り(大人ライトノベル風)を目指そう・・・^^;

ということで、短編小説「縁」より、番外編のお知らせじゃ。

「蝉―僕のランク」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-05
※あらすじ→学校で下位ランクの『僕』、最下層女子『長山春香』に何を思う。
学園もの、うむ、ちょい辛め、シリアスで重いけど救いはあるのじゃ。

「あだ名―中秋の名月」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14-3
※あらすじ→白井月子が自分のランクを守るために犠牲にしたのは・・・
テーマはイジメ。己の容姿に劣等感を抱える月子が犯した罪とは。

「豚草―腐女子の誇り」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-19
※あらすじ→中学時代、下位ランクだった長山春香、白井月子、そしてもう一人「モヤシ」こと八島麗華の話。彼女は、長山春香を犠牲にした中学時代をどう想い、今、どうしているのか。

「お彼岸―アラフォー女子の幸せ」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24-1
※あらすじ→恋愛や結婚を一歩引いて見ている冷静な未婚アラフォー女子が主人公。果たして彼女は勝ち組なのか負け組なのか。お彼岸のプチ知識など情報も入った軽く読める物語です。(4000字)

「血液型診断―栗の節句」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-10-07
※あらすじ→若夫婦のほのぼのハートフルなお話。血液型、重陽の節句(栗の節句)の情報ネタ入り。明るい話で軽く読めます。(3000字)

なお、短編小説「縁」本編の目次はこちらhttp://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-10-28


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